定員あふれる100名近くが傍聴
5月15 日の臨時市議会で「図書館のあり方に関する住民投票条例案」が審議され、傍聴席定数を大幅に超過する約100名の市民が第2会場も含め傍聴するなか、自民、公明、分・維新、立憲、生活ネ、吉野議員の反対で否決されました。賛成は日本共産党市議団とひらい里美議員。
必要数の3倍、4千筆の署名
住民投票条例案は直接請求署名が必要数の約3倍(有効署名 4060筆)集まったことを受け、市長が提案したもので、中央図書館を分割・移転して大人の本と子どもの本をバラバラにしてしまうのか、それとも大人の本も子どもの本もある中央図書館を現在地で拡充するのかを「市民の声を直接聞いて」決めようというものです。
長年、現在地での拡充を前提に市と市民の協働ですすめられてきたのに…
自民党などは、市長選で松原市長が勝利したことや現在地での拡充に多額の予算がかかることなど反対理由にあげましたが、日本共産党は西村あつ子議員が、市長選挙ではこの問題だけが争点になったわけではなく、市が示した5案のうち2案は、分割・移転とほぼ同額で現在地で拡充できるものであると反論。長年現在地での拡充を前提に市と市民の協働ですすめられてきたのに、市が市民の意見を聞かずに分割・移転を決めてしまったことに大きな問題があるとして、住民投票で広く市民の声を聞いて決めるべきと賛成討論を行ないました。
請求代表者4人が陳述――市長選で決着済とは言えない
条例制定請求代表者の意見陳述では、小俣三郎 さんが、図書館分割は多くの市民に知られておらず「2020 年の市長選挙で決着ず み」などとは言えないこと「だからこそ今回短期間に必要数の約3倍の4千筆を超え る署名が集まった」と述べ「その重みをしっかりと受け止めてほしい」と訴えました。
子どもの本と大人の本をバラバラにするのでなく
元図書館司書の林健彦さんは「おとなの本と子どもの本をバラバラにして400 メ ートル離れた別の施設に配置する」ことについて、「新しい図書館には子どもを連れてくるなと言われているようだ」などの声を紹介し「子どもの分離でなく共存こそが必要」と指摘しました。
条例に則った市民参加が行なわれなかった
周東三和子さんは、条例に則った市民参加が行われないまま市が分割・移転方針を決定し、「不便になる」「なぜ分割移転なのか説明がない」など多くの問題点が指摘されているとして、住民投票の実施を求めました。
住民投票は法で認められた市民の権利
立川節子さんは、住民投票は地方自治法で認められた市民の権利であり、「狛江市が市民参加を大切にする街であることをアピールする大きなチャン ス」になるとして「水と緑、そして住民投票の街 狛江をともに作りましょう」と呼びかけ ました。
市民の声が届く市政を
議会終了後のマスコミ取材で周東三和子さんは「これまで市民運動に参加したことのない多くの方々が署名活 動にとりくまれた。良い図書館に したい、市民の声が届く市政にしたいなどの思いが議会では受け入れられません でしたが、そうした市民の願いが生かされるとりくみをみなさんといっし ょに考えていきたい」と話しました。